トンデル博士と山下俊一氏の違いについて。東京新聞・中日新聞夕刊「紙つぶて」




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重要だなぁと思ったので、書きおこし。

小澤 祥司 (@ozawashoji)
2012/02/08 08:16:34  from web
2/7の東京新聞・中日新聞夕刊「紙つぶて」。「低線量被ばく」 pic.twitter.com/IKrBfAre
 







 1986年のチェルノブイリ原発事故では、スウェーデンも広範囲に放射能汚染を受けた。イエーテボリ大学のマーチン・トンデル博士は、事故後二十年以上にわたって二百万人規模の疫学調査を行い、その影響を調べた。その結果、居住地域の放射性セシウム濃度とがんの放射性セシウム濃度とがん発症率の間に、有意な関連が見られるという結果を得た。

 国際放射線防護委員会(ICRP)は、年間100mSv以下の低線量被曝とがん死について、直線的な関係があるというモデルを採用している。だが、実際には100mSv以下ではほとんど影響が見られない、という立場を取る研究者もいる。

 低線量被曝の影響については、分かっていないことが多い。ICRPが確率的影響モデルを採用するのも、安全を見てのことだ。博士も因果関係の判断には慎重である。

 一月末に博士が来日された。福島へは私も同行し、飯舘村や南相馬市などの被災地も見ていただいた。博士と、「県民健康管理調査」の中心となる福島県立医大の山下俊一副学長との意見交換にも同席した。会見自体は友好的な雰囲気だったが、同時に両者の見解に懸隔があることもあらためて認識した。

 三十一日夜に福島市内で開催された博士の講演会には、情報を集めて自ら判断しようとする多くの市民が足を運んだ。それは、これまで国や原子力の専門家たちが情報を隠蔽し、「安心・安全」を振りまいてきたことへの裏返しのようにも見えた。
(小沢 祥司=環境ジャーナリスト)








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