ガンダーセン氏インタビュー。「ただし、安全と安価が両立する原発はつくれない」




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示唆に富む内容と思います。
<追記>教授ではないので、タイトルを訂正しました。
管理人が気になったのは四点。


○既に、汚染冷却水を濾過(ろか)するフィルターが、アメフト場一杯分たまった。

○スリーマイルの場合は事故後1年で、電力会社の経営陣が原発内部に入って安全性を宣伝した
勝俣・西澤・清水(逃亡中?)はするのかどうか。

安全と安価が両立する原発はつくれない

○プルトニウム抽出に、あんな大がかりなシステムはいらない。
核燃料サイクルは無駄遣い


毎日新聞 2012年3月12日 東京夕刊

 ◇安全・安価な原発はない
 米国の反原発派原子力技術者、アーニー・ガンダーセンさんが、著書『福島第一原発--真相と展望』(岡崎玲子訳、集英社新書)の刊行に合わせて来日した。東京電力福島第1原発の事故前に、同型原子炉の事故の可能性を指摘していたガンダーセンさんに聞いた。【鈴木英生】

 ガンダーセンさんは大学院修了後、エンジニアとして原子炉の設計や運用に携わり、米エネルギー省の原子炉廃炉手引き書の作成にも関与。1990年、当時の勤務先で放射性物質が一般の金庫に収納されていることを内部告発した結果、原子力業界から追い出された。現在は原発についての調査分析、訴訟や公聴会での発言などをしている。

 東日本大震災の直前、妻に米スリーマイル島原発事故(79年)のような事故が再びあるかを問われ、「GE(ゼネラル・エレクトリック)のマーク1で起きるだろう」と答えていた。この型の欠陥は、さまざまに指摘されてきたからだ。マーク1は、まさに福島第1原発で使われていた原子炉である。

 また、福島第1原発事故の1週間後、CNNテレビに出演した際は「核燃料の7~8割がメルトダウン(炉心溶融)しており、チェルノブイリと同レベルの事故だ」と語った。本書でもその主張を詳細に展開している。

 最近気になるのは、同原発で汚染冷却水を濾過(ろか)するフィルターの処理という。頻繁に交換するため、「既にアメフト場一杯分の汚染フィルターがたまったと聞きます。汚染フィルターは燃やすわけにもいかない。今後、20年ほどは冷却が必要なはずですから、汚染フィルターは増え続ける

 事故処理には数十年かかるとされる。「スリーマイルの場合は事故後1年で、電力会社の経営陣が原発内部に入って安全性を宣伝しました。さて、東電の社長も同じことができるだろうか……」

 作業員の健康管理も問題だ。米国でも日本でも現場では、立場の弱い労働者が働いている。「長く現場で働くほど収益は上がりますが、健康リスクも高くなる。米国では以前、許容被曝(ひばく)量を超えた労働者が、偽名で繰り返し現場に入っていました。米国の場合、最近はテロ対策で作業員の身分確認がしっかりしていますが、日本ではどうか」と危ぶむ。

 本書はマーク1型原子炉の危険性を強調するあまり、「安全性さえ高めれば原発を維持できる」とも読まれかねない。実際には「安全な原発も、安価な原発もつくることはできます。ただし、安全と安価が両立する原発はつくれない」が持論だ。「再生可能エネルギーによる発電の方が、徐々に原発より安価になる。古い原発は、浜岡原発の1号炉、2号炉のように、補修するより廃炉にした方が安くなっていく」。そもそも原発は、ビジネスとして成立しなくなりつつあるというわけだ。

 それでも、プルトニウムを過程で製造できる核燃料サイクルは、潜在的な核兵器開発能力につながるからこそ安全保障上、必要だ、という声もある。「その考え方も分かるが、プルトニウム抽出に、あんな大がかりなシステムはいらない。いずれにせよ、非経済的で実現不可能な計画は、早く止めた方がいいのです」

□記者会見の動画もあります。要約を下記に置いておきます。


□要約版


地震雷火事名無し(西日本)sage2012/02/21(火) 20:20:36.31ID:vyj6U/0e0(3)
ガンダーセン @記者クラブボツ?記事
福島第一原発のマークⅠ型原子炉について、設計上の問題を列挙した。さらに 
①放射能の封じ込めが設計上、最弱②地震・津波の情報無視③東電と規制当局の密接すぎる関係 
――-を指摘し、みな同じことしかいわない「やまびこ効果」で安全神話が広がった、と述べた。
住民避難や廃炉、除染の課題をあげ、「日本政府は東電を守ることを最優先し、国民を守ることは第二になっている」と批判した。
また、原発建設の3条件として①冷却水の確保②地震③人口密度をあげ、日本は①は十分だが、②と③からみて、原発は難しい、と述べた。 
日本の国土面積は世界の0.3%なのに、世界の地震発生数の10%が集中し、世界のどこと比べても30倍の地震が起こる国だ、と説明。
「100年に一度、ではなく-、1000年に一度のレベルで起こる地震に耐える原発は構造工学上、難しい」と述べ、「ほかの代替エネルギーを探す方が望ましい」と指摘した。
使用済み核燃料の処分方法に-ついて、「私の学生のころから解決策は5年もあればできるといわれたが、その5年は一度も来なかった」と述べ、
ガラス固化法は解決にならない、と説明した。





地震雷火事名無し(西日本)sage2012/02/21(火) 19:38:32.36ID:vyj6U/0e0(3)
@アーニー・ガンダーセン2/20まとめ

私は福島と同じ型の原子炉を長年見てきて 研究における様々な資格や権利を持っており
原子炉を動かす事もできアメリカでは原子力安全委員会の副理事もした

事故が起こるなら欠陥のマークⅠだろうと家内と話してました マークⅠは格納容器が小さくもっとももろい
日本は地震が多いのに何故作ったのかわからない が地震が起こる事はわかっていたので修正をすべきだった。
規制当局と東電との関係が密接すぎた 1号機は地震に耐えたかどうかわからない、地震で倒れた可能性が高い。
非常用のディーゼル発電機が地下に置かれたのは重いものだったので 日本は地下に置いた、津波は考えていなかったのではないか。
非常用ディーゼルが仮に動いても海からのポンプが壊れていたので メルトダウンは避けられなかったと思う。
福島第2がメルトダウンしなかったのはポンプが第1と違いきちんと 指摘した事を修正した 福島第1は修正せずそのままだった。
今後の問題は海沿いにあるポンプをどう守るかだ。
※非常用ディーゼル発電機は、4時間程度しか持たない。最低でも二日間は持つようにしていく必要がある。
何度も言われていたことだが、非常に説明が分かりやすい。
(1)マークⅠは、欠落。
(2)非常用ディーゼル発電機が地下にあるのは、津波対策を考慮していなかったのでは。仮に動いても、海からのポンプが壊れていて、メルトダウンだったのでは。
(3)福島第1と福島第2の違いは、危険性の指摘について、きちんと対応したのかどうか。

□事故収束の費用
1号機と3号機の爆発の違い 3号機の爆発は音速より早い衝撃波が起きた。
格納その物を構造的に壊す爆発だった。私はすぐにこれはレベル7の事故だとTVで話していた。
がアメリカの安全厨はレベル5だといいやがった。この違いは避難というレベルでまったく違うものだった。
現場にいる人はレベル7の大事故だとわかっていた筈だった。しかし現場から本部に連絡が行った時に東電が隠蔽した。
スリーマイルの廃炉の際、燃料を取り出すという行為だけで 20億ドルかかっております。福島の炉は沸騰水型で底が70ほどの穴があり。
メルトダウンし易く格納容器にたまる可能性もある スリーマイルは加圧式型なので穴が上部にあるので溶け落ちず助かった。
福島の事象は世界で最悪の状態で取り出すテクノロジーがありません。これからのテクノロジーの発展にかかっております。
福島の現場のクリーンアップだけで600億ドルかかる思います。トータルだと2500億ドル必要だと思います。

・底の穴は、制御棒を下から突っ込むために、空いているということですね。
・福島原発から、燃料を取り出す技術がない。
・トータルで2500億ドル必要である(ゼメリカのゼネコンによれば、数兆ドル)

□健康への影響
20年間に100万人が癌になる可能性が危惧されております スリーマイルアイランドの知見で出した数字です。
ノースカロライナ大のスティーブウィング博士の疫学に基づいたものです。
何かに混ぜて行う廃棄物の処理があまりに間違っている。放射能というものは汚染が300年続くものです
日本国政府は事態の深刻さを理解していないと思います。
日本の技術をもっと違う方向に持っていきなよ。
・(55:00~)追加的に20年間に100万人がガンになる可能性がある(スリーマイルの知見)。
現在分析中だか、肺がんが10%増加、他のガンについても検証されているが、事故から30年たってようやく出てきている。
放射性物質の希釈後、埋設についても批判。廃棄物は歴史的に漏れ出す。高濃度の少数の物を発電所の近くで歴史的に管理されようとしている。希釈により、安くすむが、埋設した場所からいつかは漏れ出す。放射能は300年続くので、漏れたときはそのコストが高くつく。
□質疑応答
Q 官僚主義で日本のせまい国で54基作ったですがどう思いますか?
A 原発を設置するには3つのポイントあると思います。1つ目冷却水の確保、これはOKです ところが2つ目、3つ目がアウトです。
世界の地震の10%は日本で起こってます。1000年に1回のレベルに耐える原発を作るのは無理でしょう。
お解りの通り3つ目は人口密度です。以上です。安全な原発なんて作ったらコストが凄い事になりますよ。

Q マークの欠陥が日本に伝えられたのか? プルサーマルついてご見解を聞きたいのですが?
A GEは欠陥を認めてません、後付でOKとしております。危険性を訴えてきましたがそんなこんなで関係者で辞めた人が多いです。
プルサーマルについてですが机上の空論です。原発の運営・管理よりもはるかに難しいです。
・国土が世界の0.3%のため、30倍地震発生の確率が高い
・東日本大震災(福島の事故)の前であれば、ストレステストは合格していたであろう。エンジニアの想定以上の事態は想定しておらず、それが福島でおこった。
安全の原発を作ったらそのコストは、他の代替エネルギーを作った発電を考えることも可能になるようなコストになる。
アメリカには23基のマークⅠがある。危険について規制当局は、あの時にいいものは今も適正であるという考え方。
・プルサーマルは、紙の上ではとても新しい新規のデザインに思える。ウランよりも炉のコントロールがもっと難しい。この種類は、作るまではいいデザインに見えるが、運転しだすと問題点が明らかになる。プルサーマルはプルトニウムが放出される。
・MOx燃料は、酸化混合燃料と言うが、福島の原発に関しては、炉心に全てプルトニウムがあった。3号基は、それに加えてMOx燃料が使われていて、追加的に30束が含まれている。

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