スペインの風力発電所の発電量が、2012年4月16日午前3時48分に、スペインの需要の60%以上を記録!発送電分離した国。




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凄いですね!
関連産業の育成も国策として行われており、注目です。

ホームページで、電源別の発電量をリアルタイムに公開してます。

■興味のある方はどうぞ。
リアルタイムデータ(1)

リアルタイムデータ(2)

リアルタイムデータ(3)

風が今朝の早い時間帯に、スペインで消費される電力の60%以上を生産

During the early hours of the morning, at 3:48 am, 60.46% of the demand on the Spanish peninsula (21,098 MW) was covered by wind power generation (12,757 MW), a figure which exceeds the previous maximum of 59.63% recorded at 2:00 am on 6 November 2011. 

朝の早い時間、午前3時48分に、スペイン半島(イベリア半島?)の需要(21098 MW)のうち60.46パーセントを風力発電(12757 MW)が生産2011年11月6日の午前2時に で記録された59.63パーセントの以前の最大値を超えた。

60%以上とは、とてつもなく凄いですね。日本は置いていかれてるのでしょう。
ELECTRICA DE ESPANAについては、みずほ情報総研の記事が分かりやすいです。



2012年4月10日 サイエンスソリューション部 石原 範之
スペインでは古くから風車が利用されてきた。ドン・キホーテの物語の舞台の中心となったラ・マンチャ地方は風が強く、16世紀ごろから粉引きの動力などに風車が利用されてきた。物語の中で、ドン・キホーテが風車を邪悪な巨人だと勘違いし、突撃するシーンは有名である。
ドン・キホーテが突撃したかつての風車は今では観光名所になっている。古い時代の風車以外に、現在ではスペインを旅すると丘陵地帯の頂上付近に巨大な風力発電用風車を数多く見ることができる。2011年時点でスペインは中国、米国、ドイツに次いで世界第4位(*1)の風力発電導入国であり、発電量に占める風力発電の割合は約2割と非常に高い。2011年3月には、風力発電の電力供給に占める割合が21%となり、月別で最大の供給源になった(*2)。
電気事業の発送電分離にはいくつかの方式があるが、スペインでは垂直統合型事業者(発電・小売供給部門)による送電部門の資本所有を制限する所有権分離が取られている。送電を行っているのは、Red Electrica de Espana (REE社)である。同社はスペイン唯一の系統運用会社であり、1985年に国営企業として設立され現在政府保有株は20%である。マドリッドに本社があり風力発電を含めた電力系統全体の発電および送電のバランス調整を行っている。REE社では、電力系統全体の制御を「CECOEL/CECORE(中央給電指令所)」において行い、その配下にある「CECRE(再生可能エネルギーコントロールセンター)」で風力を含めた再生エネルギーの制御を行っている。CECREはマドリッド郊外にあり、風力、太陽光などの再生可能エネルギーの発電設備の状態をオンラインで監視・制御している。REE社のホームページでは、スペインの風力発電の現状をリアルタイムで見ることができる(*3)。
スペインにおける電力供給は水力、原子力、石炭火力、コンバインド・サイクル(*4)、風力、国際連携による電力融通などによって構成されている。同社のホームページでは発電構成のリアルタイム情報が開示されており、発電構成の1日の時間変化をみることができる。風力の発電量は時々刻々変化するが主要な発電源であることが分かる。1日の変動を見ると、午後2時頃がピークとなる日本と異なり、スペインの発電ピークは午後9時頃の夕食の時間帯になることが多い。リアルタイム情報では過去のデータを見ることもできる。2011年11月6日は風力の割合が50%を超えている時間帯があり(午前2時に59.7%)、特定の時間帯ではあるが電力の約半分を風力でまかなっているという現状には驚きである。発電構成のグラフを見ると「水力」と「国際連携による電力融通」の値が大きく変化し、値自体もプラスとマイナスの値をとっている。例えば水力の場合、マイナスは揚水発電による電力の貯蔵を示しているものと考えられ、「水力」と「国際連携による電力融通」が日々の電力需給調整に大きな役割を果たしている。
一方、日本における風力発電の導入量は年度別発電電力量に占める割合が0.35%(*5)と低い。東日本大震災後日本の新たなエネルギー政策が求められ、風力、太陽光に代表される再生可能エネルギーの導入方法についても様々な議論が行われている。スペインの風力発電導入は必ずしもすべてがうまくいっているわけではなく、他国同様に試行錯誤を重ねながら進められており、国際系統連携の強化や事故時の瞬時電圧変化への対応など今後解決しなければならない課題もある。しかし、今後、さらに我が国で再生可能エネルギーの導入を進めるためには約2割の電力を風力で発電している風力発電先進国のスペインは1つの良い先行事例であり、導入方法や課題を学ぶ必要があると考えられる。
*1Global Wind Statistics 2011(Global Wind Energy Council)による風力発電導入量総量の順位
*2REE社2011年3月31日発表より
*4ガスタービン発電と蒸気タービン発電を組み合わせた発電方式。最初に燃料を燃やし、ガスを発生させ、その圧力でガスタービンを回し、その排ガスの熱で蒸気タービンを回し発電を行うことで高効率に発電を行うことができる。
*5『電気事業便覧 平成23年度版』による2010年度値

2011年4月の記事では、風力発電の占める割合が21%となっています。

風力発電がベース電源の一つとして、日本で言えば原発のように24時間発電する役割が考えられているのでしょう(無論、風力の問題もありますが、原発も定期点検で停止時に他発電でカバーをしてるので、同じようにバックアップがある程度あるのでしょうね)。


【4月1日 AFP】再生可能エネルギーへの取り組みで知られるスペインの3月の電力供給で、風力発電の占める割合が前年同月比5%増の21%に達し、初めて最大の供給源になった。同国の送電網管理会社REEが31日に発表した。

太陽光や水力を含む再生可能エネルギー全体の割合は42.2%で、こちらは前年同月の48.5%より減少した。他の供給源の割合は、水力17.3%、太陽光2.6%、原子力19%、石炭火力12.9%などとなっている。

スペイン風力発電協会(AEE)によると、同国の3月の風力発電量は、ポルトガル程度の広さの国の電力消費1月分をまかなえるという。ホセ・ドノソ(Jose Donoso)AEE会長は、「この歴史的な成果は、風力が自然のクリーンなエネルギー源である上に競争力もつけており、スペインの300万世帯に供給する能力があることを示している」と語った。

下記資料は2005年頃の資料で、スペインの風力発電産業の裾野の広さを伺わせます。

それにしても、この時にエネルギーに占める割合が約6%・風の強いときなど最大約25%であったものが劇的に伸びていることに驚きます。

日本の新エネルギー開発へのやる気のなさが、よく分かります。



面白そうなので追記

欧州における再生可能エネルギーの普及状況と奨励策の概要(2011.09)
日本政策金融公庫・国際協力銀行





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