(正論)東京新聞声欄、「放射能と東電との絆は無害となるまで何万年も続くと覚悟すべきだ。」




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正論と思います。
画像添付及び、文字お越しを行いました。



2012年4月5日 東京新聞 無職  青木 清 65 (埼玉県杉戸町)

 東日本大震災で発生したがれきの受け入れがなかなか進まず、これに反対する住民をエゴだと非難する声が目立つ。しかし、政府や東京電力の姿勢にこそ問題があるのではないか。



 国際原子力機関(IAEA)の基準では、放射性セシウム濃度が1キログラム当たり100ベクレルを超えるものは放射性廃棄部処分場に封じ込めるべきであるとされている。にもかかわらず今回、政府はその八十倍の8000ベクレルまで、一般の処分場に埋め立ててよいと基準を変えた。


 この基準変更についての徳島県などの疑問に対して、政府はきちんと答えてから、受け入れを要請すべきであった。群馬県伊勢崎市では、焼却灰を埋め立てたところ、放射性セシウムが水に溶け出し、排水基準を超えたという。これらの点に関し、丁寧で明確な説明もなく、どうして住民の理解を得られよう。


 また、事故当事者の東電は高みの見物だ。原発から放出された放射性物質は、もう誰のものでもなく、東電とは無関係と考えているのだろうか。あれは「無主物」だとのたわごとが、世間に通用するはずはない。


 放射能と東電との絆は無害となるまで何万年も続くと覚悟すべきだ。受け入れ先で発生する焼却灰やフィルターなど放射能が濃縮されたものは、東電が引き取り、処理すべきだ。


 仮に焼却施設が放射能で高濃度汚染されても知らぬ顔で押し通すつもりだろうか。日本を代表する一流企業としての自負があるなら、最終的な責任を進んで引き受けるのが当たり前と思う。




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