英科学誌ネイチャーに、プルトニウムは埋設処分のほうが安価と掲載。フランスでは、電力業界からMOX燃料反対の声も。




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ネイチャーに、プルトニウムは埋設処分のほうが安価と掲載されました。

MOX燃料(ウラン+プルトニウム)など、全く意味のない危険性を増すだけの燃料です。
既に核燃料サイクルは破綻していますので、早く区切りをつけるべきです。

いかに、我々が上の年代(主にお年寄りの世代)から、負の財産を引き継いでいるのかがよく分かります。こんな下らない計画は、早く終止符を打ちましょう。




MOX燃料(モックスねんりょう)とは混合酸化物燃料の略称であり、原子炉の使用済み核燃料中に1%程度含まれるプルトニウムを再処理により取り出し、二酸化プルトニウム(PuO2)と二酸化ウラン(UO2)とを混ぜてプルトニウム濃度を4~9%に高めたものである[1]。



問題点 [編集]

ウラン新燃料に比べ放射能が高い(特に中性子が著しく高い)ため、燃料の製造については遠隔操作化を行い、作業員の不要な被曝に十分配慮して行う必要がある。ウラン中にプルトニウムを混ぜることにより、燃料の融点が下がる。これにより燃料が溶けやすくなる。また熱伝導度等が、通常のウラン燃料よりも低下する。これにより燃料温度が高くなりやすくなる。核分裂生成物が貴金属側により、またプルトニウム自体もウランよりも硝酸に溶解しにくいため、再処理が難しい。FPガスとアルファ線(ヘリウム、ガス状)の放出が多いため、燃料棒内の圧力が高くなる。性質の違うウランとプルトニウムをできる限り均一に混ぜるべきであるが、どうしてもプルトニウムスポット(プルトニウムの塊)が生じてしまう。国は基準を設けて制限しているが、使用するペレット自体を検査して確認することはできない。


上記のように、ろくでもないことばかりが指摘されています。
一言で言うと、ただでさえ危ないものが、もっと危険になりますよということですね。

1号機と3号機の爆発の仕方が、異なりますがその原因として、MOX燃料を使用していたことが指摘されています。



このプルサーマル(プルトニウムを燃料に再利用すること)についてですが、アメリカの専門家がイギリスのネイチャーに、高コストであるということを投稿しました。

このネイチャー(Wiki)と言う雑誌は、自然科学の分野では最高峰の科学誌になります。

余談ですが、大学の研究者でここに論文が掲載されれば、高い業績として評価されることになります。早川由紀夫さん(早川MAP製作者)がネイチャーから、コメントを求められていましたが、これは素晴らしいことです。

横道に反れましたが、掲載された論文は下記のものです。


2012/05/10 02:00   【共同通信】

 【ワシントン共同】原発の使用済み燃料などに含まれるプルトニウムを燃料に再利用するのはコストがかかり過ぎ、取り出さずに地下に埋設処分するべきだとの意見記事を、米プリンストン大などの4人の専門家が、10日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

 記事は、使用済み燃料からプルトニウムを取り出してプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料として再利用しているフランスで、電力業界からコストを理由に反対の動きも出ていると紹介。2000年の試算では、再利用の方が年間7億5千万ドル(約600億円)割高になるという。

一言で言うと、プルトニウムは再利用せずに、埋めたほうが安い。
そういうことですね。

日本みたいに補助金ジャブジャブ+総括原価方式(原価が高いほうが儲かる)でなければ、反対するのは当然だと思います。

フランスの電力業界は国境を越えて、ドイツなどと電力の取引がありますので、採算性を意識したのでしょう。健全な姿で、やはり地域独占はダメですね。

論文の本体が下記です。要約だけ見れます。興味のある方は図書館へ。




Frank von Hippel, Rodney Ewing, Richard Garwin & Allison Macfarlane
AffiliationsCorresponding author
Nature 485, 167–168 (10 May 2012) doi:10.1038/485167a
Published online 09 May 2012


Recycling plutonium is dangerous and costly. Britain should take the lead on direct disposal, say Frank von Hippel, Rodney Ewing, Richard Garwin and Allison Macfarlane.

プルトニウムのリサイクル(再処理)は、危険でコストが高い。
イギリスは、リサイクルなどせずに埋設すべきだ。

つまり、MOX燃料としての使用や高速増殖炉計画自体も批判していると言えます。
こんな無駄な計画はさっさとやめるべきです。

以下、興味のある方はどうぞ。





□質疑応答
Q 官僚主義で日本のせまい国で54基作ったですがどう思いますか?
A 原発を設置するには3つのポイントあると思います。1つ目冷却水の確保、これはOKです ところが2つ目、3つ目がアウトです。
世界の地震の10%は日本で起こってます。1000年に1回のレベルに耐える原発を作るのは無理でしょう。
お解りの通り3つ目は人口密度です。以上です。安全な原発なんて作ったらコストが凄い事になりますよ。

Q マークの欠陥が日本に伝えられたのか? プルサーマルついてご見解を聞きたいのですが?
A GEは欠陥を認めてません、後付でOKとしております。危険性を訴えてきましたがそんなこんなで関係者で辞めた人が多いです。
プルサーマルについてですが机上の空論です。原発の運営・管理よりもはるかに難しいです。
・国土が世界の0.3%のため、30倍地震発生の確率が高い
・東日本大震災(福島の事故)の前であれば、ストレステストは合格していたであろう。エンジニアの想定以上の事態は想定しておらず、それが福島でおこった。
安全の原発を作ったらそのコストは、他の代替エネルギーを作った発電を考えることも可能になるようなコストになる。
アメリカには23基のマークⅠがある。危険について規制当局は、あの時にいいものは今も適正であるという考え方。
プルサーマルは、紙の上ではとても新しい新規のデザインに思える。ウランよりも炉のコントロールがもっと難しい。この種類は、作るまではいいデザインに見えるが、運転しだすと問題点が明らかになる。プルサーマルはプルトニウムが放出される。
・MOx燃料は、酸化混合燃料と言うが、福島の原発に関しては、炉心に全てプルトニウムがあった。3号基は、それに加えてMOx燃料が使われていて、追加的に30束が含まれている。




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