サムスン敗訴アップル勝訴 特許裁判の提示資料がすごい 賠償金額10億ドルが3倍増の可能性あり

アップルとサムスンの裁判でアップルが勝訴しましたが、その提示資料の内容がすごいので紹介。内部資料を提示しており、産業スパイか何かを使ったのでしょうか?今後の注目点は、賠償金額が3倍増の可能性も示唆、販売差し止め申請もも計画されていることですね。

ドコモが販売を継続するのかどうかも、管理人は気になっています。

▲アップルVS.サムスン、証拠や証言の山に陪審員も苦労2012年 8月 24日  16:01 JST

携帯電話の特許侵害の審査

UPDATE3: アップルとサムスン電子<005930.KS>の米特許訴訟でアップル勝訴、10.5億ドルの損害認める評決 2012年 08月 25日 12:24 JST [サンノゼ(米カリフォルニア州) 24日 ロイター] 

・米アップルと韓国サムスン電子のスマホの訴訟

・24日、陪審団の評決が発表され、アップルが勝訴、10億5100万ドルの損害を認定した。


・アップルの特許7件、サムスンの特許5件について検討、開始から3日足らずで評決に達したことから、陪審員9人はほぼ問題なく結論に至ったとみられている。
既に報道されており、ご存知かと思いますがアップルが勝訴しました。
特許違反については、判決前にWSJの記事に掲載されている画像が分かりやすいと思います。

侵害した特許の種類

陪審団はサムスンがアップルの特許7件のうち、スクロール・マルチタッチやズーム・ナビゲートなど6件をサムスン電子が侵害したと判断した一方、アップルがサムスンの特許を侵害しているとするサムスンの訴えは退けた。
特許については、イメージが付きやすいと思いますので、上記の図表をご参照。
ポイントは、アップルの全面勝訴、サムスンが完全に敗北した点ですね。

特許侵害が悪質と指摘 損害賠償額が膨らむ可能性も


また、アップルの特許の正当性を支持し、一部のアップルの特許についてはサムスンが意図的に侵害したと認定した。「意図的」侵害が認定されたため、判事が最終的に下す損害賠償額が3倍に膨らむ可能性がある。

アップルの弁護士は評決の発表後、サムスン電子の一部製品の販売差し止めを今後7日以内に申請する計画を明らかにし、判事は販売差し止めに関する審問日を9月20日に設定した。
損害賠償額が3倍に膨らむ可能性と、販売差し止め申請計画が注目されます。

さて、意図的に侵害と認定したという理由ですが、アップルの提示した証拠が非常に興味深いです。どうやって、そんなものを調べたのだと、驚きました。

APPLEの提示した証拠 SAMSUNGの内部資料

▲アップルVS.サムスン、証拠や証言の山に陪審員も苦労2012年 8月 24日  16:01 JST 
 昨年サムスンを訴えたアップルは、サムスンがアイフォーンを意図的に模倣したという証拠を、サムスンの内部戦略資料に頼っている。

(中略)
 アップルは2010年3月2日付けの132ページに及ぶサムスンの内部資料「S1とiPhoneの比較評価報告」に頻繁に言及した。資料にはアイフォーンとサムスンのギャラクシーS1の機能の違いについての記述や、アイフォーンの機能の模倣を必要とする「改善の方向性」などが示されている。さらにアップルの弁護団から提示された2010年の電子メールには、サムスンの携帯部門責任者が会議の席でいかにサムスンのスマホがアイフォーンに劣っているかを嘆き、「天と地との差だ。デザインの危機だ」と言ったことが書かれている。

管理人が特に驚いたのが、下記の一言。
サムスンがアイフォーンを意図的に模倣したという証拠を、サムスンの内部戦略資料に頼っている。
○2010年3月2日付けの132ページに及ぶサムスンの内部資料「S1とiPhoneの比較評価報告」

○2010年の電子メールには、サムスンの携帯部門責任者が会議の席でいかにサムスンのスマホがアイフォーンに劣っているかを嘆き、「天と地との差だ。デザインの危機だ」と言った

詳細なライバル企業の内部資料や、携帯部門責任者の電子メールをどうやって入手したのかが非常にきになります(笑)。産業スパイ、退職者からのリーク(有償・無償?)でしょうか?陪審員が意図的な模倣であると認定していますので、アップルの提示した内部資料と電子メールは本物であるという事ですね。

ソニー シャープ 東芝など日本企業が重要か

 ただ、アップルとサムスンはライバルであると同時に、サプライチェーン面では緊密な関係がある。アップルはサムスン製マイクロプロセッサー、その他部品の主要顧客でもある。

▲アップル製品に日本部品 供給者初公表[2012年1月14日10時19分]
米アップルは13日、部品調達や生産委託にかかわる世界の主な156社の企業名を初めて公表した。日本のソニーやシャープ、東芝、パナソニックのほか、韓国のサムスン電子、LGグループ、米インテルなどが並んだ。
記事では、アップルはサムスンから調達しており、緊密な関係であると指摘しています。それと同時に、サムスンが自社製品を用いる事(内製化)で、部品の販売数量が増加、規模の経済と利益の増加を同時に達成しているのでしょう。

今回を含めて一連の特許訴訟は、サムスンが供給している部品を、日本企業が競合するチャンスでもあると言い換えることができます。管理人、特にシャープに頑張って欲しいと思っています。

▲シャープ ツイッターつぶやきと業績悪化の理由 フォロワー4倍に激増2012/08/06

今回は、携帯電話市場で世界最注目の裁判ですが、日本企業がでてこない事に寂しさを感じます。日本企業はこの市場で、下請けとして生き残っていくしか道はもうないのでしょうか。

追記)
アップルは、携帯電話事業とPC事業に加えて、アップルTVをシャープとホンハイが共同開発している可能性が示唆されています。アップルがテレビ事業に展開するとすれば、テレビ事業でもサムスンと競合する可能性が考えられます。アップルがテレビ事業で、どういった革新的な製品を販売、するのか注目かもしれない。

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