大阪がれき焼却 兵庫県でイオンへの影響懸念

大阪でがれきの試験焼却が行われましたが、本焼却が1月に行われようとしています。兵庫県は大阪市の隣ですが距離が近く、兵庫県内でも懸念の声があります。

この記事は、たむごんと匿名希望の方の二人で、書きました。ご協力ありがとうございます。



(1)大阪で震災がれき焼却開始

大阪の橋下市長は12月27日に、岩手県の瓦礫の本焼却を1月末に始めると正式に発表しました。

大阪で震災がれき広域処理の試験焼却はすでに、行われていますが、隣の県である兵庫県三木市でも懸念があるようです。それは、瓦礫焼却による、PM2.5という物質の影響です。

チェルノブイリ原発事故でも、PM2.5は放射性物質が濃縮する事が注目されており、山火事によりPM2.5が拡散したことで、放射線量が上昇したとも言われています。

このPM2.5について簡単に見てみましょう。

(2)浮遊粒子状物質PMの有害性

PMとは何か

PMとは、浮遊粒子状物質などと呼ばれており、大気中に浮遊する100万分の10メートル(ミクロン)単位の超微小物質のことです。

PMの大きさの違い

PM2.5とは、その粒子の大きさを指しています。
  • PM10=100万分の10 自然界でも存在します。
  • PM2.5=100万分の2.5 人為的にしか生じません
このPM2.5に注目すれば、工業活動などが、どの程度活発に行われているのかを見る指標にもできるのではないでしょうか。

PM2.5がなぜ危険か

PM2.5は、自動車の排ガスや工場、事業所の煙などが主な発生源です。特に自動車からはき出される粒子は大半が「PM2.5」です。
  • 自然のPM 火山灰・スギ花粉 粒径大きく、体内に取り込まれてもすぐ排出されます。
  • 人為的PM 小さいので肺胞に達し、生体反応起こす。小さいほど毒性が高い。表面積が大きく有害物質を付着させやすい
PM2.5は非常に微小なので経口(口から)でも経皮(皮膚から)でも体内に侵入できます。

(3)大阪からの距離と数値

兵庫県三木市イオン農場予定地と浮遊粒子状物質の変化

放射性物質への懸念と、PM2.5の性質と毒性について簡単に説明しました。

西日本では、福島第一原発事故による、放射性物質漏洩は無関係なように思えます。しかし、広域瓦礫処理により放射性物質や重金属による汚染の懸念がある瓦礫が、大阪に運び込まれようとしています。

大阪の焼却処分場と、兵庫県三木市の位置関係について見てみましょう。


兵庫県三木市のイオンの農場予定地から、大阪市舞洲焼却場までは、直線距離で35kmあります。この周辺にはPM2.5の計測施設がありませんので、他の施設を見てみます。

大阪市で試験焼却が行われた日にPM2.5が変動

環境省のそらまめくんがPM2.5を常時測定していますが、大阪市が試験焼却を行った、11月29日と11月30日にPM2.5の数値が変動していることが分かります。

日本海側の豊岡と他のデータを比較すると、29日から30日にかけて傾向は似ていますが、PM2.5の波形は一致しておらず、懸念する声があるのも、当然かもしれません。

大阪市だけでなく兵庫県でも懸念

PM2.5は、自動車の排ガスや工場、事業所の煙などが主な発生源のため、大阪市舞洲焼却場の瓦礫焼却が原因とは断定できません。風向きの影響を見なければ、分からない面もあるでしょう。

しかし、大阪市舞洲焼却場も排出が想定される、排出元の一つです。大阪市舞洲焼却場のがれき試験焼却で、PM2.5が放出されているとすれば放射性物質の付着の可能性もあり、懸念がでるのは当然かもしれません。

新潟では、がれき焼却自治体の地図と場所から見える懸念がありますが、大阪のがれき焼却では隣の兵庫県と近い場所に焼却場があります。そのため、兵庫県でもがれき焼却の影響を懸念がでています。

(4)イオンが農業に進出 関西が食料供給地として注目

兵庫県三木市に自社農園を計画

大阪市の震災がれきの焼却に懸念が高まっていますが、隣の県に目を向けて見ましょう。

兵庫県三木市に、大手スーパーのイオンが、関西では初の3万ヘクタールの自社農園を計画しています。イオンは今まで自社農園は関東にしかありませんでしたが、消費者の関西産を望む声に応えてのことと思われます。

安心な食料を求める声に答える

関東、東北の放射能汚染を心配する、幼い子供を持つ家庭など、関西産の野菜を求める人たちにとっては、関西産の野菜の流通量が増えるのは、大変うれしい話です。また、自社ブランドですから、仲買による産地偽装の心配もないでしょう。

販路は日本全国が可能

イオンは、イオンモールを中心に日本全国に展開していますが、中四国を地盤とするマルナカを買収するなど、西日本にも力を入れています。

三木市は、もともと山田錦(酒米)の産地として有名でしたが、安全な食料供給地としても注目されそうです。イオンの販路を生かして、食糧供給拠点として、日本中に供給されるポテンシャルを秘めていると言えるのではないでしょうか。

(5)地元ではイオンの雇用に注目 しかし懸念も

財政再建と雇用に期待

この農場計画で地元三木市には、雇用の機会が増えると予想できます。また、三木市は市民病院の経営難等でここ数年財政が厳しく、この平成25年中に財政を立て直す計画です。

この農場誘致は、税収の面でも、財政再建を後押しするでしょう。

がれき焼却への懸念

ところが、いいことずくめに思える農場計画ですが、大阪の瓦礫の本焼却が始まるとなると、瓦礫焼却への懸念はでるかもしれません。兵庫県三木市は、大阪舞洲焼却場から40km圏内に位置しています。

11月29日30日の試験焼却の際も、周辺の林崎、加古川市役所や稲美町でpm2.5の値が急上昇しており、三木市でも同様である可能性が高いです。

もちろん、大阪から見ると西側は風上の事が多いですが、試験焼却の実施した時期にPM2.5の数値が上昇したことに懸念を示す人がいるのは当然でしょう。

(6)瓦礫の本焼却への懸念

新潟県柏崎市は震災がれきの本焼却の開始日が、すでに囁かれています。大阪の瓦礫焼却に目を向けると、大阪の瓦礫関連ではモジモジさんが逮捕されており、新潟県と同様に瓦礫を焼却しようとする姿勢が見えます。

せっかくのイオン自社ブランドの関西産の野菜も、瓦礫に含まれる放射性物質やヒ素、クロム、アスベストで汚染されてしまうのではないか。それならば、農場を大阪からより遠い土地に移転してしまうのではないかという懸念が強まりそうです。

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