青森県六ヶ所村のMOX燃料工場建設再開。MOX燃料はウラン燃料の5倍割高で、消費者にメリットなし。

原発が廃炉に進んでいるのに、なぜ破綻した核燃料サイクルに拘るのでしょうか?

コストが高いだけで何のメリットもありません。被災地に回すべきです。
建設予定も、度々、建設停止では遅れてコストが膨らむばかりです。
MOX工場建設 日本原燃、4月上旬に再開 

2012/3/30 11:11

日本原燃(青森県六ケ所村)の川井吉彦社長は30日に記者会見し、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料工場の建設を4月上旬に再開する方針を示した。東京電力福島第1原子力発電所の事故による影響で工事を中断していたため、完成時期は従来計画の2016年3月より遅れる可能性が高い。MOX燃料は原発のプルサーマル発電に使われる。





「MOX燃料」とは、「ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料」のことです。英語ではMixed Oxide Fuelと言い、その頭文字をとって「MOX(モックス)」と称します。

(中略)

・最大加工能力 :130t-HM/年
・製品 :国内の軽水炉(BWR及びPWR)用MOX燃料集合体
・主建屋規模 :約85m×約85m、地上2階、地下3階
・工場の配置計画 :再処理工場隣接
・建設費 :約1,900億円
・操業人員 :約300名
・着工 平成22年10月
・しゅん工時期 平成28年3月
(外観イメージ図)


建設費ですが、度々、中止しているので、ほぼ100%工期延長などでオーバーします。
福島原発3号機は、MOX燃料が激しい爆発の原因のひとつとして、指摘されています。



3号機は、MOX燃料であり、燃料の融点の低さが、被害を大きくしたという指摘もあります。
メルトダウンをおこしやすくなるからです。

下記の最後の一文にも注目ですが、確認の方法がない規制を作って何になるのでしょうか?
理解に苦しみます。



MOX燃料Wiki


MOX燃料(モックスねんりょう)とは混合酸化物燃料の略称であり、原子炉の使用済み核燃料中に1%程度含まれるプルトニウムを再処理により取り出し、二酸化プルトニウム(PuO2)と二酸化ウラン(UO2)とを混ぜてプルトニウム濃度を4~9%に高めたものである[1]。
主として高速増殖炉の燃料に用いられるが、既存の軽水炉用燃料ペレットと同一の形状に加工し、核設計を行ったうえで適正な位置に配置することにより、軽水炉のウラン燃料の代替として用いることができる。これをプルサーマル利用と呼ぶ。
MOXとは(Mixed OXide)の頭文字を採ったものである。




ウラン新燃料に比べ放射能が高い(特に中性子が著しく高い)ため、燃料の製造については遠隔操作化を行い、作業員の不要な被曝に十分配慮して行う必要がある。ウラン中にプルトニウムを混ぜることにより、燃料の融点が下がる。これにより燃料が溶けやすくなる。また熱伝導度等が、通常のウラン燃料よりも低下する。これにより燃料温度が高くなりやすくなる。核分裂生成物が貴金属側により、またプルトニウム自体もウランよりも硝酸に溶解しにくいため、再処理が難しい。FPガスとアルファ線(ヘリウム、ガス状)の放出が多いため、燃料棒内の圧力が高くなる。性質の違うウランとプルトニウムをできる限り均一に混ぜるべきであるが、どうしてもプルトニウムスポット(プルトニウムの塊)が生じてしまう。国は基準を設けて制限しているが、使用するペレット自体を検査して確認することはできない。


ウラン燃料よりも、危険性の高いMOX燃料です。
価格などにメリットがあるかと言うと、価格も割高です。

結局、一部関連産業や電力会社が儲かるだけの仕組みになっています。
そもそも、原発を廃炉にしていくのですから、必要ありません。





MOX燃料 ウラン燃料の5倍割高 予備
    
2012年3月8日


使用済みの核燃料の一部を再利用するウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX(モックス))燃料の 1トン当たりの平均額は約12億7000万円で、通常のウラン燃料の5倍近くもすることが本紙の調査で分かった。 
価格は各電力会社とも「具体的な契約に関係すること」として公表しなかったが、財務省の貿易統計や取材から判明した。 
再生したMOX燃料を原発で使うプルサーマルは、核燃料サイクル政策の柱の1つ。 
ウラン資源の節約につながるとされてきたが、コスト面で疑問符が付きそうだ。 


MOX燃料は国内で生産する能力がなく、フランスから輸入している。 
2002年以降、中部、関西、四国、九州の電力4社が計5回にわたって輸入。貿易統計などによると、輸入量は計53・4トンで、金額は計約676億5000万円だった。 
1トン当たりの単価は、多少のばらつきはあるものの、平均すると約12億7000万円となる。 
通常のウラン燃料の単価は、原子力委員会が昨年11月に公表した資料によると、同約2億7000万円。MOX燃料はこの約4・7倍という計算になる。 


MOX燃料が高額になるのは、使用済み核燃料からプルトニウムを抽出して再生するには厳重に管理された施設が必要で、加工費が高くつくことが大きい。 


MOX燃料を使う理由について、九電は 
「核燃料の再利用はウラン燃料の節約につながる。確かに割高だが、全体の燃料費に与える影響は大きくない」としている。 
浜岡原発(御前崎市)4号機のプルサーマル計画延期を決めている中電は「コメントは差し控えたい」 としている。 



電力会社のコメントが詭弁ですね。
原価が高いもの使うんですから、電気代が高くなるのは当たり前です。

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