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少し気になる箇所がありました。
1月23日についてです。
専門家によると、東京電力福島第1原発由来ではなく自然界の放射性物質ラドンが、深夜の降雪で地上に落ちたとみられる。
ラドンは、土の中などにある放射性物質ラジウムの原子核が崩壊してできる。ラドンの原子核はさらに崩壊し、鉛214やビスマス214などになる。
山澤教授は「気象庁のデータを見ると、線量上昇と降雨や降雪が強まったのがほぼ同時。やんで1~2時間後は線量が高かったが、鉛やビスマスが半減期(20~27分)を迎え、線量が下がっていった」と分析する。
私が気になったのは、福島第1原発でメルトスルーしたのに、何で事故前と比較しないのかです。
それに、先に言っておくと、この日は(量の多寡はありますが)Cs134,Cs137が検出されています。
原発の燃料棒の90%以上が、ウラン238です。
燃料棒がメルトスルーしてますが、ウラン238の沸点を調べてましょう。
融点1132 °C
沸点3745 °C
CTBTの高崎観測所で観測されたMo99という放射性物質が観測されています。
融点2623 °C
沸点4639 °C
ウラン238より沸点の高い物質が検出されているので、ウラン238が漏れてても普通と思います。
ハワイで検出されたという話もありますね。
不思議な事に、保安院は、ウランの同位体のデータを掲載していません。
無論、福島原発のメルトスルーした核燃料からの可能性もあります。
もしそうなら、他の地域のモニタリングポストも見れば分かるんじゃないの?と思う訳です。
23日夕方から夜にかけ、関東地方は西~北西の風が吹いており、大陸から運ばれたラドンの影響も考えられるという。埼玉県の担当者も山澤教授と同様の見方だ。
ということで、学者の人達が、仮に言い訳するとしていれば、ウラン238が漏れていないと発表されているのだから、自然界に存在するものと考えたです。
判断するのは、個々人と思います。
ウラン238が崩壊していくと、観測されます。
興味がある方は、他の崩壊系列も確認してみて下さい。
結果論で言うと、予防原則で動かれた方はよかったですね。
ウラン系列
核種 | 同位体 | 崩壊形式 | 確率 | 娘核種 | 半減期 | 歴史的名称 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ウラン238 | 238U | α | 100% | 234Th | 4.468×109 年 | (特に)ウラン |
2 | トリウム234 | 234Th | β- | 100% | 234mPa | 24.10 日 | ウランX1 (UX1) |
3 | プロトアクチニウム234m | 234mPa | β- IT | 99.84% 0.16% | 234U 234Pa | 1.17 分 | ウランX2 (UX2) |
3' | プロトアクチニウム234 | 234Pa | β- | 100% | 234U | 6.7 時間 | ウランZ (UZ) |
4 | ウラン234 | 234U | α | 100% | 230Th | 2.455×105 年 | ウラン2 (UII) |
5 | トリウム230 | 230Th | α | 100% | 226Ra | 7.538×104 年 | イオニウム (Io) |
6 | ラジウム226 | 226Ra | α | 100% | 222Rn | 1600 年 | (特に)ラジウム |
7 | ラドン222 | 222Rn | α | 100% | 218Po | 3.824 日 | (特に)ラドン |
8 | ポロニウム218 | 218Po | α | 99.98% 0.02% | 214Pb 218At | 3.1 分 | ラジウムA (RaA) |
9 | 鉛214 | 214Pb | β- | 100% | 214Bi | 26.8 分 | ラジウムB (RaB) |
9-1 | アスタチン218 | 218At | α β- | 99.9% 0.1% | 214Bi 218Rn | 1.6 秒 | |
10 | ビスマス214 | 214Bi | α β- | 0.021% 99.979% | 210Tl 214Po | 19.9 分 | ラジウムC (RaC) |
10-1 | ラドン218 | 218Rn | α | 100% | 214Po | 3.5×10-2 秒 | |
11 | ポロニウム214 | 214Po | α | 100% | 210Pb | 1.643×10-4 秒 | ラジウムC' (RaC') |
11-1 | タリウム210 | 210Tl | β- | 100% | 210Pb | 1.3 分 | ラジウムC" (RaC") |
12 | 鉛210 | 210Pb | α β- | 1.0% 99% | 206Hg 210Bi | 22.3 年 | ラジウムD (RaD) |
13 | ビスマス210 | 210Bi | α β- | 1.0% 99% | 206Tl 210Po | 5.013 日 | ラジウムE (RaE) |
13-1 | 水銀206 | 206Hg | β- | 100% | 206Tl | 8.15 分 | ラジウムE' (RaE') |
14 | ポロニウム210 | 210Po | α | 100% | 206Pb | 138.76 日 | ラジウムF (RaF) |
14-1 | タリウム206 | 206Tl | β- | 100% | 206Pb | 4.199 分 | ラジウムE" (RaE") |
15 | 鉛206 | 206Pb | 安定 | ラジウムG (RaG) |
関東地方の一部で23日夜、大気中の放射線量が一時的に上昇する現象が起きた。専門家によると、東京電力福島第1原発由来ではなく自然界の放射性物質ラドンが、深夜の降雪で地上に落ちたとみられる。
東京都や埼玉県によると、23日夜の放射線量は最大で▽東京都小平市0.112マイクロシーベルト(午後11時~24日午前0時)▽新宿区0.0926マイクロシーベルト(同)▽江戸川区0.179マイクロシーベルト(午後10~11時)▽さいたま市0.093マイクロシーベルト(同)--など。ほとんど健康に影響しない数値だが、いずれも通常より2~3倍高かった。
原因について名古屋大の山澤弘実教授(エネルギー環境工学)は「自然界のラドンが別の放射性物質に変化し、雪や雨に乗って降下した」と見る。
ラドンは、土の中などにある放射性物質ラジウムの原子核が崩壊してできる。ラドンの原子核はさらに崩壊し、鉛214やビスマス214などになる。
山澤教授は「気象庁のデータを見ると、線量上昇と降雨や降雪が強まったのがほぼ同時。やんで1~2時間後は線量が高かったが、鉛やビスマスが半減期(20~27分)を迎え、線量が下がっていった」と分析する。
23日夕方から夜にかけ、関東地方は西~北西の風が吹いており、大陸から運ばれたラドンの影響も考えられるという。埼玉県の担当者も山澤教授と同様の見方だ。
同時刻の福島市の線量に目立った変化はなかった。東電は「(福島第1原発の)プラントに異常はない」としている。
一方、福島市では今月2~3日と15~16日、地表に落ちる放射性セシウムの濃度が1平方メートル当たり190~430ベクレルと普段より数倍高い現象が見られたが、福島県の担当者は「地表から風で舞い上がったセシウムの影響だろう」としている。【斎藤広子、奥山智己】
毎日新聞 2012年1月25日 0時27分
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