ウイルス感染 原発事故情報流出の経緯 原子力安全基盤機構は天下りで高齢化



ウイルス感染で、福島・女川など原発事故情報が漏洩していたようです。その経緯と背景をまとめました。原子力安全基盤機構ですが、問題の多い組織です。

まとめ 簡易


○原子力安全基盤機構

○原子炉メーカーなどの天下りが多く、高齢化

○職員5名のパソコンから、PCウイルスによって情報漏洩

○情報漏洩は既に公表していて、その詳細が明らかになった

○福島第一・福島第二・女川原発の情報漏洩

情報漏洩は既に判明していた

報道の濃い部分を読んで下さい。
内容は詳細に書かれていますが、いつ情報流出したのかが全く書いていません。


(2012年6月11日  読売新聞) 
 原子力施設の検査業務を担う経済産業省所管の独立行政法人「原子力安全基盤機構」(東京都)のパソコンがコンピューターウイルスに感染した問題で、福島第一原子力発電所事故後の同原発の情報が外部に流出していたことが11日わかった。




 同機構によると、流出したのは、事故に対応する原子力安全・保安院の「緊急時対応センター(ERC)」が保有していた資料で、事故から2か月後以降の原子炉の温度や水位、放射性物質の拡散状況が記されていた。また、福島第二原発と宮城県の女川原発の情報も流出。感染したパソコンを通じて同機構のサーバーに保管されていた計203ファイルA4判で約1000枚)が昨年7月まで米国内に流出したが、最終的な流出先は特定できないという。

昨年7月まで米国内に流出は誤記か(7月までのファイル)、それとも別の話でしょうか?
下記と別件の話がでています。

5月には既に判明




読売の記事では、何も触れらていませんが、4月には感染していて、5月にはウイルス感染を発表しています。職員は5名。

A4判で1000枚(上記)、計1000回(下記)送られたという事ですので、この事をさしているのでしょう。1回当たり100文字分となっていますので、かなりの情報量と思います。

皆さんご存知と思いますが、動画やエクセル・ワードなどのファイルはもっと重いので、これらのファイルではないと分かると思います。興味がある方は、PCのファイルの重さを確認してみてください。、


毎日新聞 2012年05月02日 20時36分(最終更新 05月02日 23時37分)

 経済産業省原子力安全・保安院所管の独立行政法人で、原発関連施設の法定検査機関の「原子力安全基盤機構2件(JNES)」は2日、職員5人のパソコンから、内部文書などの情報がインターネットを通じて外部に漏えいした可能性があると発表した。ウイルス2件感染が原因とみられるが、まだ検知されておらず種類の特定もできていない。感染源も不明。ただ、漏えいしたとみられるパソコンには機密情報は含まれていないとしている。

 JNESによると1日午後6時ごろ、インターネットで流れている情報を監視している外部機関から連絡を受け、内部調査を開始。統括参事や技術顧問、原子力施設の検査部門など3部門の職員計5人のパソコンから、少なくとも4月11日以降、1回当たり200バイト(日本語で約100文字分)の情報が計約1000回にわたり、意図せず送られていたことが分かった。送信先は米国のサーバーだった。

 JNESは原因などについて外部の専門家と調査し、2〜3週間で保安院に報告する予定。【岡田英】


問題の多い組織

今回、不祥事が発覚した原子力安全基盤機構ですが、問題が極めて多いようです。
河野議員のブログを最後に紹介。簡単に要点をまとめます。

ウイルス感染の背景には職員の高齢化と天下りによるたるみがあるのかもしれません。

○年間200億円以上の予算投入、オフサイトセンターが役立たず

○高齢化が進んでおり、原子炉メーカーなどから天下りが多い

○検査をされる側が検査をする側に移動




さて、年間200億円以上の公費が投入されていながら、今回の東京電力福島第一原発事故で、オフサイトセンターが全く機能しなかった原子力安全基盤機構(JNES)の政策評価・独立行政法人評価委員会独立行政法人評価分科会が開催されている。


この組織は、2003年頃以降急速に高齢化が進んだ。原子炉メーカー等からの高齢者の中途採用が多く、若い人材の育成が全く行われてこなかった。


毎年の採用の中で新卒者が1割に満たず、電力会社や原子炉メーカーを退職した50歳以上の者が大量に採用されているのは非常に不可解。


検査される側の人間が次々と検査する側に異動しているだけではないか、それできちんと検査ができるのかという強い疑問がある。しかも、検査ミスがしばしば指摘されているという。この体制で大丈夫なのか。


分科会でも「中途採用者も前企業を退職してきているから大丈夫」という説明が平気で行われる。この事故が原子力村が引き起こした事故だという認識を未だに持っていない。


メーカーからの中途採用に関しては、「(検査について)目をつぶってもプラントが分かる必要」。そうした人材を育成するのではなくメーカーから高齢の技術者を採用するというのでは、この組織も原子力村の企業人事の高齢者対策の一環を担っているという点で、ムラに組み込まれていることがはっきりした。


だから結局、検査も元の同僚達がやっているのだから「ちゃんとできているはずだ」という認識になりがちで、それが不祥事につながるという指摘のとおり。


また、この独法に対する200億円の運営費交付金の半分が研究に充てられているが、その成果の検証がないままに10年、15年も続けられている研究がある。果たして妥当性があるのだろうか。委託先との関係が疑問視される。


あれだけの事故が起きてもどこ吹く風という組織だ。

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