エドウィン粉飾決算で経営危機 200億円損失隠し 経理担当が不審死

エドウィンで不正経理が発覚しました。純資産のほとんどが吹っ飛ぶ可能性が浮上してます(2012年1月) 。報道によれば、200億円『以上』の損失隠しが示唆されており、純資産のほとんどが吹っ飛ぶ可能性があります。

経理担当者の不審死も気になります。そもそも経理担当が4年間も同じで、一存で200億円の損失を出せる契約を行えるほど、ルーズな会社だったのでしょうか?
(追記)
粉飾決算 脱税と倒産で、粉飾決算について解説していくので、こちらもご参照。

▲EDWIN

証券投資の失敗隠し

ジーンズのエドウイン、200億円投資損失隠し
(2012年8月24日11時35分  読売新聞)

 大手ジーンズメーカー「エドウイン」グループが、証券投資の失敗を隠すために不正経理を繰り返していた疑いがあることが、関係者などへの取材でわかった。投資による損失額は200億円以上に上る可能性があるが、社内の一部の関係者しか知らなかったといい、エドウイン社は内部調査を始めた。

エドウィンに不正経理の疑いが浮上しています。
経営規模から考えると、非常に大きな金額ですね。

▲エドウインWiki

純利益 2億6213万9000円 (2012年1月20日終了期)
純資産 298億7044万8000円 (2012年1月20日時点)
総資産 487億3812万円 (2012年1月20日時点)

売上高   約290億円 (2011年5月期)▲リンク

経営規模から考えると、銀行の姿勢によっては倒産も有り得ますね。
簿価の安い、不動産で含み益などはのこっているのでしょうか。

銀行に虚偽の決算書を提出していたことがポイント

 同社関係者らによると、同社は証券投資を行っていたが、2008年のリーマン・ショックを契機に200億円以上の運用損が発生した。融資を受けていた銀行などには、こうした損失を隠した決算書類が提出されていた。

2008年のリーマン・ショックで損失が発生したということは、円高によるデリバティブ商品の損失の気がしますね。

商流がよく分かっていませんが、エドウィン、ジーンズの会社ですので中国やバングラディッシュの会社などから、繊維を輸入。その対価で支払うドルについて、何らかの金融商品を銀行か証券会社と契約していたのではないかと考えています。

一言で言えば、輸入の為にドル購入のデリバティブ契約をしていたが、円高で大損をしていたのではないかという予想ですね。

似たような事例でサイゼリヤが有名ですね。

サイゼリヤの事例 朝日新聞の間違い

下記、朝日新聞の記事ですが、どう思いますか?

▲サイゼリヤが168億円賠償請求 デリバティブ損失巡り2012年7月4日8時1分

 レストランチェーンのサイゼリヤが6月上旬、BNPパリバ証券など同証券グループ3社を相手取り、計168億円の損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こしたことがわかった。2007年と08年に結んだデリバティブ(金融派生商品)取引の契約で損が出たという。

 訴状やサイゼリヤによると、ハンバーグやソースをオーストラリアの子会社から輸入する際に為替変動で損が出るのを防ぐため、07、08年に、BNPパリバ証券などとデリバティブ取引の契約を結んだ。それぞれ1豪ドル=78円、1豪ドル=69.9円で豪州ドルを買うことになっていて、いずれも当時の相場より約1~2割、安く豪ドルが買えた。 

 しかし、為替相場が契約より円高豪ドル安に振れると、豪ドルの購入価格が加速度的に高くなっていく仕組みだったため、その後の円高豪ドル安で大きな損を被ったという。サイゼリヤは09年8月期決算で二つの契約の解約金として153億円の損失を出した。
上記を簡単にまとめます。

(1)輸入の為にドルを調達する契約

(2)一定の為替の価格までは、サイゼリヤは利益が発生する

(3)一定の為替の価格から、円高ドル安に振れると購入価格が加速度的に高くなる仕組み

一見すると正しいのですが、実は(3)が間違っています(続きを読むがあるがあるので、その後に書いてあるのかもしれません)。読売新聞の記事を見ましょう。


▲サイゼリヤ、円高で大損(2008年11月22日  読売新聞)
(中略)
 豪ドルが想定以上に安くなったため、デリバティブの契約上、1豪ドルあたり最大600円を支払わなくてはならなくなり、損失が発生。サイゼリヤは低価格のファミリーレストランとして人気だ。仕入れ価格の変動を抑える、こうした契約が低価格を実現できた要因の一つだった。
この契約の本質は、1豪ドルが一定価格の円高になったときに1豪ドル600円という、有り得ないぼったくりのような価格で、豪ドルを調達し続けなければならないという点です。

あくまで管理人の推測ですが、リーマンショックの頃と報道がありますので、エドウィンも外資系の金融機関が絡んでいて、デリバティブ契約で大損をしたのかと考えました。無論、円高で損をする仕組債を購入していたのかもしれません。報道では、証券投資と不正経理を繰り返したとなっています。

経理担当者は自●

ジーンズのエドウイン、200億円投資損失隠し
 今月上旬、グループの理担当者が●殺し、不正経理の疑いが発覚。会社あての遺書はなかったが、この経理担当者が持っていたパソコンの中に、資の失敗を示す内容のメールが残されていた。

 同社は、問題の発覚後、内部調査を進めるとともに、弁護士事務所にも調査を依頼。読売新聞の取材に対し、同社関係者は「粉飾の可能性もあるとみて、内容を調査中」としている。
この件ですが、エドウィンの経理担当者の自●で、発覚したとのことです。
投資の失敗のメールということですが、どうなのでしょう?

200億円も経理担当者の一存で、損失など有り得るのでしょうか?しかも、総資産500億円の会社であれば、余裕資金が200億円もないはずですが、何のお金でしょうかね。

一気に財務内容が悪化しますし、粉飾決算ですから(報道通りなら、損失隠し。嘘の決算書提出)銀行借入があるのであれば、非常に厳しい状況に追い込まれますね。

(追記)
続報がでているので、追記します。

どうやら、EDWIN倒産報道の真相は、デリバティブ損失だけで300億円。資産の架空計上が600億円あったようです。詳細はリンク先をご参照。かなり、深刻な粉飾決算ですね。

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